平素は弊社白衣へのご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

緊急事態宣言の解除とともに学校へ子供たちの声が戻ってまいりました。しかしながら新型コロナウイルス対策下での再開であり、先生方の安全への真摯な取り組みには頭が下がる思いです。

私共メーカーもWithコロナ下の学校給食において給食衣はどうあるべきか、検討を重ねているところです。また現場の先生方からも様々なお問合せやご相談をいただいております。

環境に対応した、より感染リスクを抑える給食衣の在り方を、ユーザー様とともに模索しているところです。

以下、給食衣の安全対策と現状を整理してみました。感染対策に腐心され、日々創意と工夫を重ねられている先生方の一助になればと考えます。

1、文部科学省による指針について
2、自治体様の対応について
3、各学校の対応について
  (有)福田商店の対応
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1、文部科学省による指針について

多くの自治体や学校様で判断の基準にされているのが、令和2年3月24日付け「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」のようです。

https://www.mext.go.jp/content/20200406-mxt_kouhou01-000006156_1.pdf

文中で学校給食の運営についての記載は以下の通りです。

 5.学校給食に関すること

学校給食を実施するにあたっては,「学校給食衛生管理基準」に基づいた調理作業 や配食等を行うよう改めて徹底すること。

給食の配食を行う児童生徒及び教職員は,下痢,発熱,腹痛,嘔吐等の症状の有無, 衛生的な服装をしているか,手指は確実に洗浄したか等,給食当番活動が可能であるかを毎日点検し,適切でないと認められる場合は給食当番を代えるなどの対応をとること。

また,給食当番はもとより,児童生徒等全員が食事の前の手洗いを徹底すること。 会食にあたっては,飛沫を飛ばさないよう,例えば,机を向かい合わせにしない,または会話を控えるなどの対応が考えられること。

指針ですので服装や活動への細かな指示というよりも、従来の「学校給食衛生管理基準」を遵守しつつ、児童・生徒の健康状態把握、手洗いの徹底、密にならない環境整備に気を配ることで感染予防の環境を作る旨の表記となっています。

ただ巻末の参考資料のチェックリストに、以下の表記があり、何らかの感染防止策の実施が望ましいとも考えられます。

□ 学校給食の実施にあたり,感染防止のための工夫を行いましたか?

その他マスク着用について、令和2年5月13日付けの関係機関向け事務連絡の中にQ&A形式で回答事例があります。

新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&Aの送付について(5月13日時点)

文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課

【学校給食に関すること】

問53 給食当番など配食を行う児童生徒等にマスクは必要か。

○ 配食時のマスクの着用は、口からの飛沫等が食品に付着することなどを防ぐために必要とされています。

○ 必ずしも市販のマスクである必要はなく、手作りマスクなど当該目的を達成できる機能を有するもので代替して差し支えありません。

担当:初等中等教育局健康教育・食育課

その他に給食衣の着用についての具体的な指針はないように思われます。しかしながら弊社が確認している情報はほんの一部にあると思われ、当該基準についてさらに詳しくご承知の方がございましたらご教示いただければ幸いです。

2、自治体様の対応について

状況の文部科学省の指針をもとに、より具体的な内容を指針として提示されている自治体様が多いようです。以下、私たちの地元熊本市の「学校再開に伴う感染防止対策等の〈ガイドライン〉」から学校給食関連の抜粋です。全ての関係機関の方も同じだと思いますが、子どもたちを迎えるにあたり細心の準備をされている様子に頭が下がります。

給食再開にあたっての確認リスト

リスト1

給食当番の健康状態記録簿について

記録簿

3、各学校の対応について

給食現場の先生方は「新しい学校生活様式」の中で「厳しい感染対策」と「楽しい給食」の両立という難しい課題に努力されています。その中で給食衣運用の変更に当たっては大きく次の2通りが考えられます。

1、現行の運用方法を維持しつつ防衛策を強化

2、給食衣の運用方法の変更~ 個人購入への変更

1、現行の給食衣による運用

① 給食衣予備分の追加

常に清潔な状態を保つために余裕を持った枚数を備蓄して、当番さんの持参忘れをはじめ、汚れや汚染リスクのある場合の代替として使用されるようです。運用方法の基本を変えず、より衛生を担保する方法だと思います。

 ② 台ふきの追加購入

指針でも指摘されている給食用配膳台と児童生徒の机上面の衛生管理のために、水拭き又はアルコール消毒を実施されています。もちろん雑巾は不可ですが、台ふき自体も常に清潔なものを意識して準備されているようです。

 ③ マスクの追加購入

飛沫予防の意味から配膳時のマスクは必須です。①同様に持参忘れや汚れの場合の貸与品として準備されているようです。

2、給食衣の運用方法の変更~ 個人購入への変更

① 現在の規格を踏襲

個人購入移行後も、給食衣の規格は現行のものを基準とすることで、給食指導の内容をそのまま継続できるメリットがあります。
個人購入に際しては以下のような販売形態があり、それぞれの地域や学校にあった購入形態を検討されています。

ⅰ 入学説明会や入学式等の機会に業者が訪問して対面販売を行う

ⅱ 各クラスで集金袋の配布・回収を行う。(集金袋の準備や回収後の集計、間違いチェックは販売業者が負担する)

ⅲ 指定店で入学までに各自購入する。地元の制服店やスポーツ店等に販売を依頼して、給食開始までに各自購入をしていただく方法です。

ⅳ 仕様が同じであれば可とする。現在の規格(前ボタン式で白等)を大まかにとらえ、同型であればメーカーにとらわれず地域の制服店、量販店等で各自選択して購入する方法です。

規格がバラバラになるデメリットはありますが、より廉価な商品を探すことで家計負担を縮小することが期待できます。

②、規格にこだわらない

個人分は現行の仕様・デザインにとらわれない、という場合は、基本的に各家庭の判断にお任せとなります。近くのショッピングモールや洋品店、Web等で好みの物を購入されているようです。
濃色やカジュアルなものもあり上記1-ⅳよりもさらにバラツキが大きくなりますが、配膳時の衛生を担保する点では共有よりは実効性が高いとの考え方です。
また保護者の方の負担が最も少ない方法で、例えば5年生時の家庭科で作成課題のエプロンを使用する方法もあります。

ⅰ 各自購入後、マイエプロンの持参

ⅱ 上学年は家庭科教材の活用

※ 持参忘れの児童に対応するために、学校にも予備エプロンの準備が必要です。

(有)福田商店の対応

1、 Withコロナ環境の為の商品強化

 今回カタログを作成するにあたり掲載商品をすべて検討しなおしました。単純に入荷が困難で責任をもって受注が出来ないものはもちろんですが、先生方がコロナ禍の中の給食指導を行うためにより必要なものを厳選いたしました。たとえば不織布マスクは調理用とサージカルマスクを併記しています。苛酷な調理場の環境にサージカルマスクの密閉性は作業者の負荷が高すぎると思うからです。同時に配食や生活の場ではより防衛力の高いマスクで安心を担保する必要があります。

また抗ウイルス性の製品もラインナップ出来ました。

Withコロナ下の学校給食の運用の一助となればと願っております。 

2、 個人購入への対応

 コロナ対策として給食衣の個人持ちを検討したい旨のお問い合わせが増えてまいりました。大きな運用方法の見直しになりますので、検討に当たっては食育指導の環境の維持はもちろん、家計の負担増等大変に心を配られているようです。

 私たちはできるだけ教育の一環としての給食指導環境を残しつつ(白・淡色を基調としたカラー編成や基本デザインの統一等)個人購入へ移行または併用するお手伝いができないかと考えています。なぜならば運用の事項一つ一つが長年の食育の歴史の中で、先生方が培ってこられた栄養-衛生指導の文化だと考えるからです。一過性の「禍」の中で、指導環境を荒廃させるべきではないと考えます。

 ご要望の多い「申込袋」や「保護者様へのご案内チラシ」、また地区の販売店のご紹介や御校が希望される窓口への取り扱い交渉等も行わせていただいております。必要な時にはぜひ声をおかけください。

個人用袋

環境が劇的に変わり求められるサービスも変化する中で、販売方法や在庫について100%お応えすることは難しいのですが、可能な限り対応していくつもりです。
お気軽にご相談をいただければ幸いです。
今後はさらに先生方と連携を深めながら、子供たちが安心・安全な給食の時間を守るために努めてまいりたいと存じます。ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

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